DVDは『硫黄島からの手紙』を見る。 2006年アメリカ、第79回アカデミー賞の対象作となり、作品賞・監督賞・脚本賞・音響編集賞にノミネートされ、音響編集賞を受賞した。東京から南へ1250km。日本の最南端に近い太平洋上に、東京都小笠原村硫黄島はある。面積22㎞2、周囲22km、山手線一周ほどもない小さな島。その島で、62年前、太平洋戦争末期に小笠原諸島の硫黄島において日本軍とアメリカ軍との間に生じた戦闘の物語である。1945年2月19日にアメリカ海兵隊の上陸が開始され、3月26日に日本軍の組織的戦闘は終結した。日本軍は20,933名の守備兵力のうち20,129名が戦死した。アメリカ軍は戦死6,821名、戦傷21,865名の損害を受けた。太平洋戦争後期の島嶼での戦闘において、アメリカ軍地上部隊の損害が日本軍の損害を上回った唯一の事例であった。 映画は、2006年、硫黄島を訪れた日本の遺跡調査団の洞窟での調査で始まる。そこで、地中から発見された数百通もの手紙。それは、62年前、この島で戦った男たちが、家族に宛てて書き残したものだった。 戦況が悪化の一途をたどる1944年6月、ひとりの指揮官が硫黄島に降り立った。陸軍中将、栗林忠道(渡辺謙)。大使館付け武官として、アメリカ留学の経験を持ち、それゆえにアメリカとの戦いの厳しさを誰よりも知り尽くしていた男。本土防衛の最後の砦とも言うべき硫黄島の命運は、この男に託された。着任早々、長年の場当たり的な作戦を変更し、部下に対する理不尽な体罰をも戒めた栗林に、兵士たちは驚きの目を向ける。今までのどの指揮官とも違う栗林との出会いは、硫黄島での日々に絶望を感じていた西郷(二宮和也)に、新たな希望を抱かせる。従来の常識にとらわれない栗林のやり方は、古参の将校たちの反発も呼んだが、一方で頼もしい理解者もいた。そのひとりが、ロサンゼルス・オリンピック馬術競技の金メダリスト、「バロン西」こと西竹一中佐(伊原剛志)だった。 硫黄の臭気が立ち込める灼熱の島、食べ物も飲み水も満足にない過酷な状況で、栗林の指揮のもと、掘り進められる地下要塞。島中に張りめぐらせたこのトンネルこそ、米軍を迎え撃つ栗林の戦術は、これまでの海岸で迎え撃つ戦術と異なるため多くの反発を受けながら実行する。 1945年2月19日、ついにアメリカ軍が上陸を開始する。その圧倒的な兵力の前に5日で終わるだろうと言われた硫黄島の戦いは、36日間にもおよぶ歴史的な激戦となった。死こそ名誉とされる戦争の真っ只中にあって、栗林中将は兵士たちに「死ぬな」と命じた。最後の最後まで生き延びて、本土にいる家族のために、一日でも長くこの島を守り抜け、とこれまでの玉砕戦術と違う命令を出す。このため栗林の戦術に反発し、軍人らしく玉砕を貫こうとする伊藤中尉(中村獅童)の反逆にあう。憲兵隊のエリートから一転、過酷な戦地へと送り込まれた清水(加瀬亮)、戦場にあってなお国際人であり続けたバロン西、まだ見ぬ我が子を胸に抱くため、どんなことをしても生きて帰ると妻に誓った西郷、そして彼らを率いた栗林もまた、軍人である前に、家族思いの夫であり、子煩悩な父であった。これらのエピソードを交えながら、最後の総攻撃が行われる。栗林中将は白襷をかけて先頭に立って突っ込む。傷っを追い動けなくなって、西郷に遺体を埋めることを頼んで拳銃で自決する。その前に、集団で手榴弾で次々に自決する人だちの姿も痛々しい場面だった。暗い時代だった。もったいない命の浪費だった。
by kittajp
| 2007-07-15 16:39
| 肺気腫
|
カテゴリ
全体 八ヶ岳 肩こり 食べ物 糖尿病 湿疹 前立腺がん 高血圧 温泉 肺気腫 富士山 中性脂肪 植木屋さん 植木屋さん けいれん発作 息切れ 脚気 その他 アルツハイマー病 アレルギー性結膜炎 アレルギー性鼻炎 半月板損傷 眼科受診 頸椎症 良性発作性頭位性眩暈症 ハワイ等 口腔外科 委縮性胃炎・潰瘍 心筋梗塞 脚気 エコノミー症候群 深部静脈血栓症 胃腸 事故 風邪 腱鞘炎 口内炎 狭心症 妹 下痢 変形性膝関節症 酷暑 床屋 鼻血 ファッション 紛失 パソコントラブル こむら返り 鬼神喜之助 息切れ 老衰 去勢抵抗性前立腺がん 眠い 疲れ 疲れ 食欲不振 平衡感覚 記憶力 草取り 頭痛 大腸検査 出血 歯肉が痛い 歩き方 肺動脈血栓塞栓症(肺梗塞) 貧血 頭のぐらつき バネ指 よろめく お寺さん 咳 老化 浮腫み 副鼻腔炎 頻尿 認知症 窓拭き 長電話 街路灯組合 悪徳商法 年賀状 眠い 墓参 カズオ・イシグロ インフルエンザ だるい 食欲不振 歯痛 頻便 腰の痛み 肛門 血液サラサラ剤 立ちくらみ 立ちくらみ 嘔吐 睡眠不足 肛門 散歩 脳神経外科 未分類 以前の記事
2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 フォロー中のブログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||