VD『手紙』を見る。2006年、ギャガ。工場で働く20歳の武島直貴は、職場の人間ともまるで打ち解けず、人目を避けるように暮らしていた。それというのも唯一の家族である兄・剛志が、直貴の学費欲しさに盗みに入った邸宅で老婆を殺してしまったからだった。そのために直貴は「強盗殺人犯の弟」という目で見られ続けて世間の壁を感じ、さらにそれが、何をやるにも足かせとなった。仕事は3回、下宿も3回変えている。兄が罪を犯したのは、自分のせいだ。そう自責する直貴は、せめてもの償いにと服役中の兄から届く手紙に丁寧な返事を書き続けていた。そんな直貴に好意を寄せるバス仲間の由美子にクリスマスプレゼントで手袋を貰う。直貴と寺尾は中学生のころからお笑いのコンビを組んでいたが、新年宴会でもやってみる。そんなある日、更生した元服役囚と出会った直貴は、一度はあきらめたお笑い芸人の夢に再び挑戦しようと決意する。テレビに出る機会にも恵まれ、刑務所の兄が感想を寄せる。直貴の恋人・は朝美、コンビで先を走り過ぎると指摘する。朝美のお父さんは凄い会社の専務だと聞く。CMの契約が取れたことを兄に知らせる。お笑いのタレントの兄が犯罪者だといういコメントがインターネットへ出回る。そのため、お笑いのコンビを解消する。恋人にも知れてしまう。それでも恋人・朝美は直貴の宿舎の近くへきて、バイクのひったくりに会い大怪我をする。その病室で、朝美の父から、金を渡され2度と朝美に近づくな。君も子供を持てば、この理不尽な要求が解るはずだと言われた。新しく務めたKS電気でも、販売から倉庫担当に回された。そこで、仕事をしていると、勤めう会社の会長がやってきて、直貴に話しかける。君は、今度の人事を不当だと思うかもしれない。でもこの人事は、まっとうな人事だ。誰も、犯罪に関係した人から逃げようとする。それは当然の行動だ。だから、あなたの兄さんは、自分の行動が、あなたにも影響することを考えて行動すべきだ。あなたは、この移動を不当と考えずに、ここからスタートすることを考えるべきだ、差別のない場所を探すのでなく、ここで生きていくべきだ、と伝えて行った。ずっと兄への手紙を書いていないのに、兄が新しい職場の様子を知っているので、由美子が代わりに書いていることに気づいた。それを叱ると、手紙は、何よりも大事な時がある。お兄さんが待っている手紙もそうだ、と言われる。しばらくして、由美子と直貴の娘が公園に行くが、それまでいた親子が一斉に引き揚げる。元相方の寺尾が職場に訪ねてきて、また、一緒にお笑いをやろう。それも刑務所訪問で、と言ってくる。直貴は兄への面会に行かないことを心配しての提案だった。娘から、人殺しの子、とはどんなことかと聞かれる。友達から、そう言われると言う。そこで大荒れに荒れるが、由美子に現状を認めることだと諭される。兄には、4年ぶりに最後の手紙を書く。今まで、由美子が手紙を書いていたが、娘まで被害を受けていることから、もう手紙は書かない。兄を捨てて、家族をとると書いて出す。被害者の家族の家に行くが、お供物も線香も断られる。兄から、毎月詫びの手紙が来るが、いくら詫びられても、悔しさが消えるものではない。もう、この関係はやめてくれと言われる。兄の刑務所へ、昔の相方と慰問に行くことになった。コンビの笑いの中で、馬鹿な兄の話題が出てくる。どんなに馬鹿な兄でも、兄は兄だと言って締めくくる。兄はいつまでも泣いていた。と言うあらすじ。朝日新聞に連載されて、反響があった小説だが、 犯罪加害者の親族の視点に立って、その心情の動向を丹念に追った作品で素晴らしく、しかもずっしりと重い作品。
by kittajp
| 2007-07-29 16:36
| 富士山
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