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「富士山」読書5

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今朝も寒く天気は良い。昨夜娘に貰ったほうれん草をアク抜きしたものとスナックエンドウを茹でたもので朝食にした。娘夫婦は6時少し前に京都へ向かって出かけた。高速道路代が安くなるとは言え、麻生総理の景気対策に乗せられたた、生活に余裕のある人だちだ。それでも、宿泊は滋賀県にすると言うのは賢明だ。午前中は薄曇り、午後は曇りから3時半には雨。午前中はまあまあのお花見日和。午後から「やまなみの湯」へ行く。いつもより暖かだった。アウターを着けずフランネルのシャツ姿で出かけていた。
31日に続いて、中公新書の「富士山」終章を読んだ。テーマは、一味違った富士山のナショナリズムの見方と言うもの。1は、日本の誇り富士山「三四郎」と言う見出し。夏目漱石の小説「三四郎」の一節に「あれが日本一の富士山だ。あれよりほかに自慢するものは他にない。ところが、その富士山は天然自然に昔からあったもんで、我我がこしらえたものじゃない」と記す。江戸庶民の反権力の砦だった富士山が、明治政府に乗っ取られ、日本国権の誇りに置き換えられた、浅薄な富士山礼賛に反感を持っていた。2は、ラフカディオ・ハーンの富士山と言う見出し。西洋の科学文明は、その冷気によってあるゆるものを死滅させるアルプスのようなものである。日本の伝統的な心性の優しさ、優美さは、アルプスの山々と同じく白く覆われた 高山であっても、朝日が当たれば花のつぼみのように薄桃いろに色づく富士山によって象徴される。4は、太宰治の「富嶽百景」と言う見出し。様々な見方を描いているが、良い言い方もあるが、どちらかと言うと誉めていない。ケチをつけている方が多い。富士に月見草の一節は、国家権力の象徴たる富士山に対し、すくっと立っている月見草のなんて健気なことか。転向して屈伏してしまった私に比べて、と言う見方。5は、草野心平の詩集「富士山」と言う見出し。昭和42年、富士山の大沢崩れに対し、大規模な対策をすると言う国会答弁に怒って「富士よ割れろ」と言う詩を書いた。減るのが自然の摂理だと考えている。国税を投入して富士周辺の自然破壊をもたらす工業開発をやっておきながら、セメント会社が儲けるための保全対策を議論することへの怒りだ。箱根から見た富士、富士五湖から見た富士は人を驚嘆させる。しかし、駿河湾から見た景観はどう保全するかは日本人の責務である。
昨日、河口湖大石公園で撮った梅の花と富士山をアップする。富士山が久し振りに男前になったように見えた。
by kittajp | 2009-04-04 16:02 | 富士山
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